平成29年度に、自立支援協議会の取組みとして、バリアフリーウォッチングを実施致しました。
まずは、最初の取り組みとして、大島本島内の公共機関におけるバリアフリーの状況について確認を行っています。
今回はまず調査場所として、地域住民の使用することの多い建物入口や外部からの入口になる各窓口(町民生活課・保健福祉課等)を重点的に実施しました。
また、調査内容として、建物の状態のみではなく、設置物及び窓口の対応における意識や制度について(障害者差別解消法・合理的配慮・パーキングパーミット)の理解状況を聞き取り調査及び各々調査票へ記載にて実施いたしました。
それぞれの公共機関において、バリアフリーの状況について確認を行って感じたこととして、新しい庁舎においては様々な配慮がなされており設備面にほぼ問題はありませんでした。また防災機能も備わっており住民は安心して利用できるのではないでしょうか。
長い年月の経っている建物で設備面で十分でない庁舎においても、職員の皆様の意識や配慮によって、カバー出来ている部分が多いと感じることができました。
職員のみなさんの対応に関しては、特に小さな地域は住民の顔が見える関係性の中で、対応に困ることはほとんどないとの報告に“結の精神”を実感させられました。
そんな中、差別解消法の制度に関しては「知らない」と言う回答もありましたが、知らないながらも、特に“合理的配慮”について、日頃の何気ない対応や配慮を行えている状況が確認でき、あえて認識していなくても、自然と行えている部分もあると感じられましたが、だからこそ、今一度、制度について皆様で学ぶ必要性があると感じました。
今回のバリアフリーウォッチングにより、これから新しい庁舎や公共機関の建設も行われる際に、建築基準を守りつつも、使う人の身になってどこにどんなものが必要で、どうすることで利用しやすいのかを事前にじっくりと考えて、計画に反映していただけるきっかけになったと思います。
奄美地区の世界自然遺産登録も踏まえて、観光客や移住されるIターンやUターン者などたくさんの方々の来島が予想されます。これから、それぞれの庁舎や公共機関に誰がいつ尋ねてこられても十分な対応が可能になる仕組みもいろんな状況を予想し、考えていっていただけると思います。
※各庁舎の設備や取り組みの写真です。⇓
※各公共機関に検討していただきたいこととして、点字ブロックの上に足ふきマットを置いてある庁舎が多く見られました。視覚障害の方にとって、マットがある事で、点字ブロックがそこで途切れることになってしまします。「点字ブロック付きのマット」や、マットの置き方を工夫するなどして対応していけたらいいですね。
今回、各行政や公共機関の職員の皆様には、お忙しい中ご協力いただきまして、ありがとうございました。今後とも連携を取りながら、障がいのある方たちもみんなが住みやすい地域を目指して、連携を取っていけたらと考えております。今後ともご協力よろしくお願いいたします。
※ 平成29年度は、行政庁舎などの公共機関を中心にバリアフリーウォッチングを実施いたしましたが、今年度は公共機関だけでなく、多くの人が利用される建物や、公共のトイレなども随時調査していく予定です。障がいのある人に限らずみんなが住みやすい島を目指して、地域住民も含めた多くの皆さまのご協力をよろしくお願いいたします。